「本日初めてこちらのホームページを拝見させていただいたのですが、ユニフォームに関する情報がここまで細かく載っていることに、とても驚きました。すごいですね。
さて、ここまで詳しいyuuki_ono_99さんへお聞きしたいのですが、日本を代表するスポーツメーカーであるミズノやアシックスが、アディダス、ナイキ、プーマなどのように、強豪国とユニフォーム契約を結び、その国がワールドカップを掲げるということが可能だと思いますか?
日本企業が他国との(日本代表もそうですが)ユニフォーム契約を結べないのは(または結ばないのは)、これらの企業が消極的だからなのでしょうか?それとも契約金の問題?
おそらく日本メーカーは他国のメーカーと比べても、ユニフォームを作る技術的には劣っていないと思うのですが。。。これは勝手な思い込みでしょうか。
とても長い質問お許しください。
もし、時間が許せば、コメント頂けるととても嬉しいです。」
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コメントバックしようと思ったのですが、長くなりましたので本エントリーであげたいと思います。
あくまで私見で答えさせていただきますね。またアシックスはヨーロッパのクラブチームをサプライしたりしていますが、ここではナショナルチームに関して述べます。
まず結論から。今の状況ではボクは「ない」と思います。
まず90年代以降のW杯とユーロ優勝国とサプライヤーはこうなっています。
90年:西ドイツ(adidas)
92年:デンマーク(hummel)
94年:ブラジル(UMBRO)
96年:ドイツ(adidas)
98年:フランス(adidas)
00年:フランス(adidas)
02年:ブラジル(NIKE)
04年:ギリシャ(adidas)
06年:イタリア(PUMA)
08年:スペイン(adidas)
また最新のFIFAトップ10のサプライヤーは以下の通りです。
1位:スペイン(adidas)
2位:オランダ(NIKE)
3位:ドイツ(adidas)
4位:イタリア(PUMA)
5位:ブラジル(NIKE)
6位:イングランド(UMBRO)
7位:アルゼンチン(adidas)
8位:クロアチア(NIKE)
9位:ロシア(adidas)
10位:フランス(adidas)
このように現在は、強豪国は三大メーカーの寡占状態です。またhummel、UMBROは今ではサプライ国は減っているものの、サッカーユニフォーム界では由緒あるメーカーです。
翻って日本のメーカーは?
ミズノはJリーグ創設時は全チームのユニフォームをサプライしていましたが、今ではJ1では広島のみ、J2では6チーム。ナショナルチームのサプライ実績はなし。
アシックスもJ1は神戸のみ、J2で2チーム。98年まではPUMA、adidasと共に日本代表をサプライしていたが、ナショナルチームのサプライ実績はその時期のみ。
(追記:インド代表の06年アジア大会モデルをサプライした実績あり)
(さらに追記:マリ代表99年モデル、ガーナ代表94年モデルのサプライ実績もあり)
つまり両社ともサッカーの世界ではマイナーメーカーといえます。
ただしadidasの場合は各国法人に分かれており、現在の日本代表のサプライヤーは「アディダス・ジャパン」社という「日本の」メーカーです。
確かにおっしゃるように日本のメーカーの技術は海外メーカーのそれに劣っていないと思います。しかし一方で、サッカーユニフォームの技術革新は素材開発が大部分であり、各メーカーが開発技術を競っており、日本のメーカーだけがリードできるものではありません。
そして現代では、ナショナルチームのサプライヤー決定に一番大きな影響を与えている要因は「技術開発力」でも「デザイン」でもなく、「スポンサー料」に他なりません。
最近で一番大きなサプライヤー変更といえば、フランス代表が2011年から現行のadidasをNIKEに変更する契約が挙げられますが、7年契約で契約金は年額約4260万ユーロ(約68億円)と言われています。
2009年3月期決算で、ミズノ社は単独経常利益15.9億、連結15.0億、アシックス社は単独経常利益84.9億、連結210億です。これだけを見るとやはりこの2社が単独で強豪国をサプライするのは無理がある気がします。
またネットで両社の海外戦略に関して検索すると、両社とも陸上競技を軸にした世界進出戦略を志向しているようです。当然、投資もそこに集中させていると推測できます。
ただし企業のマーケティング戦略というものは時代と共に変わるものです。
90年代前半までサッカー界において全く無名だったNIKEが、2002年日韓W杯を初制覇し、現代でもブラジル、オランダ、ポルトガルなどの強豪をサプライしている歴史もあります。
南米での陸上競技製品の拡販戦略の為に、アシックス社がブラジル代表とユニフォームのサプライ契約を締結、2014年ブラジルW杯制覇を狙う、などという時代も夢ではないかもしれません。。。
【関連記事】
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フランス代表、2011年からナイキ社に契約変更!!!
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国内スポーツメーカーのグローバル戦略 世界陸上の舞台裏vol.4 (スポーツナビ)
レス遅くなってすいませんでした。
確かに開発費という大きな予算枠の中で、
機能開発に割かれている割合は大きいかもしれませんね。
NIKEがデザイナーを変えて成功したように、新しいデザインの流れが来ることを期待しましょう。
http://football-uniform.seesaa.net/article/96579822.html
ユニフォームの独自性を失っている現状やデザインの平準化の背景には各メーカーが機能のほうに(ユニフォームの軽量化や速乾性など)金銭と時間を割いていることも関係しているのかもしれません。今後3大メーカーやアンブロおよびその他のメーカーがあっと驚くようなユニフォーム(機能性・デザインともに)を発表することを期待したいものです。
初コメありがとうございます。
2002年以降のデザインシンプル化は、まだ止まらないですね。
ただボク自身は、それはデザインのトレンドの流れであって、NIKEに責任はないと思います。
ただ言われてみると、シェア争い激化→契約金高騰→デザインコスト圧縮→デザイン効率化→各国デザイン平準化という波はあるのかもしれませんね。
国産メーカ、頑張って欲しいですね。
私は80年代からのサッカー馬鹿ですが、最近、3大ブランド使っているどの国のユニフォームも(代表だけでなくクラブも)大体同じに見えて、全く面白くなくて正直欲しいものありません。
80年代は各国ユニフォームにもっと独自性があったように思います(ソウル五輪予選のアシックス肩の縦縞!)。ユニフォームの平均化は、特にナイキのサッカー界への本格参入後により顕著になってきたように思います。その意味では、最近レトロ路線回帰のアンブロは楽しみ。
協会にとって巨額スポンサー料も大事なのはわかりますが、代表のユニフォームは独自性に拘って欲しいと思います。98仏のアシックスの炎は外国人の友人は皆欲しがりましたから。
コメントありがとうございます。
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何かいいネタがあればまたお寄せ下さい。
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これからも楽しみにしておりますので、大変でしょうけど頑張ってください。
こちらこそ、ありがとうございます。
本文にも書きましたが、あくまでも外部の人間の私見です。
ケイスケさんのようにスポーツメーカーにご就職希望の方や、ミズノ社やアシックス社にご勤務の方がもし不愉快な思いをされていれば、ここでお詫び申し上げます。
日本代表や、日本メーカーのユニを着用した国がワールドカップを掲げる日を夢見て共にがんばりましょう。
質問、ご意見、リクエスト等どしどしお寄せ下さい。
やはり、日本企業のユニフォームを着た代表チームがワールドカップを掲げるのは、なかなか難しいですか。たしかにスポンサー料の壁は高いですよね。日本代表もアディダスと8年間160億円という額で契約を結んでいますし。。。
実は、私は今、日本がワールドカップを掲げる日を夢見て、来年に内定を頂くべく就職活動を行っています。そこで、選手やコーチとしてはその夢を叶えられそうにありませんが、アシックスやミズノへ就職することでこの夢を叶えようと考えています。(確かに、アディダスやナイキは日本法人を持っていますが、これらの企業は“一応”すでにワールドカップを獲得してしまっているので、就職候補順位は下のほうです。)
これは果てしない夢ではありますが、もしそのような日が来れば、少しでも喜んでくれたり、励みになった、と思ってくれる人がいるのではないかと思い、就職活動を行っています。もちろん、私なんかよりも早くに、日本代表がワールドカップで優勝してくれることが一番よいのですが。
また、コメント、質問をさせて頂くことがあるかと思います。その時は何卒よろしく申し上げます。
本当にありがとうございました。